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過去のニュース(2014年)

2014.05.26 トーナメント

水下広之、全日本スヌーカー選手権を制覇!

第13回全日本スヌーカー選手権

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水下広之が全日本を制覇!

5月24日、25日(土・日)に東京都荒川区の『スヌーカークラブ』を会場に『第13回全日本スヌーカー選手権』が開催された(24日は神奈川県座間市『スヌーカー FLUKE』でも開催)。24日にはベストオブ2で争われるグループリーグが行われ、そこを通過した8選手が25日にベストオブ5(ファイナルのみベストオブ7)のシングルトーナメントに進むというフォーマットとなっている。そこで神箸渓心とのファイナルに勝利し、水下広之(JPBA)が全日本スヌーカー選手権初優勝を果たした。

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ベスト8から親子対決が実現した

ベスト8から大注目のカード。まずは神箸久貴(JPBA)とその息子・渓心の親子対決があり、これを3-1として渓心が父親を破った。第14回全日本ジュニアナインボール選手権大会(JOCジュニアオリンピックカップ大会)でも優勝している渓心の実力は格上の相手でも倒し得るほどのものがあるのだ。

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タイでの修行から全日本のために一時帰国した桑田哲也

また、前年の優勝者で現在スヌーカーの本場・タイで修行中の桑田哲也と水下のカードが実現した。国内トップクラスのスヌーカープレイヤーの一人である桑田とポケットビリヤードのプロである水下の対決、やはりスヌーカーという土俵では桑田に分があるかと思われたが、水下が3-1で桑田を破り、会場を驚かせた。

続く準決勝、渓心の相手は過去7度、全日本選手権を制覇している栗本高雄を破った長谷修次だ。長谷は日本代表経験もある猛者であるが、それを3-0で渓心が破った。もう一方の準決勝の試合は水下対大水衛となり、こちらも3-0で水下が決勝行きを決めた。

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渓心対水下という決勝戦

こうして実現した決勝戦、13歳にしてここまで勝ち上がってきた渓心とJPBAプロでありながらもスヌーカーにおいても日々腕を磨いている水下の対決だ。第1フレームから水下が常に先行し、一気に3フレームを奪って渓心に実力の差を見せた。渓心も準決勝まではかなり好調のようだったが決勝戦になるとミスが増えてくる。緊張で上がっていたのか経験の少なさからくるものなのか、フレームの合間の様子も少しヒートアップ気味だった。

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水下の実力はスヌーカーにおいても折り紙付きだ

優勝に手をかけた第4フレーム、水下は37点のブレイクを見せて大差をつける。13歳の快進撃もここまでかと思われたがその直後に渓心が30点のブレイクを返して一気に水下に迫った。そしてテーブル上に残るのはカラーボールのみとなった時、水下がリードを保ってはいるものの渓心にもまだまだフレームを奪うチャンスは残されていた。一進一退の攻防が続き、遂に渓心にチャンスが訪れる。

残り3球で点差は10点。全てポットすれば当然渓心がフレームを奪う。ブルー、ピンクをポットし点数の上では遂に逆転した。レール近くのかなり難しいブラックを渓心はポットにいかずにセーフティ。ブラックボールでの守り合いが続いたが、最後にポットしたのは水下。決勝戦を4-0で勝利した水下が優勝を果たした。

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決勝で敗れはしたものの、今後の成長を予見させる

しかしながら、渓心も大健闘と言えよう。最後のフレームはあと1球でフレームを奪える場面を迎え、13歳にしてこの状況で決して熱くならずに冷静なセーフティを返せる渓心に非常に驚かされた。水下のブレイク直後に見せた30点ブレイクも強さを伺わせるものであり、今後の成長が楽しみになる全日本選手権準優勝だ。

他のトップスヌーカープレイヤー達を圧倒して全日本選手権者になった水下、今後のポケットでも同様の活躍を期待したい。