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2014.05.22 プレイヤー

1998年生まれのタイフーン(前編)

平口結貴という『進撃の小娘』の話

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『進撃の小娘』こと平口結貴

先の『全日本アマチュアナインボール選手権大会』(通称:アマナイン)の女子級で優勝を果たした小西さみあ。「彼女には天賦の才がある」と、人伝えに何度耳にしたことか数えることができない。トップクラスの女子アマ選手から「彼女は(レベルが高くて)私と比較する域ではない」という声さえ聞いたこともある。

16歳の時(2008年)にジュニア世界選手権で銀メダルを獲得した小西は、今ハタチの女子大生。彼女にとって今回のアマナインが初全国制覇だということは、おそらく関東圏のビリヤード愛好家にすれば意外な事実であったと思われる。そのくらいに、抜きん出た球を撞くハタチなのだ。

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弱冠20歳にしてアマナインを制覇した小西さみあ

彼女と初めて出会ったのは、まだメダルを獲る前のことで、そのアマナインの会場だった。「こういう子が頑張ってくれたら、未来は明るいな」というのが率直な感想で、写真を数枚撮らせてもらい、「頑張ってね」と無責任な外野らしい声をかけて、取材を終えた。その後に、上記のような話が続々と舞い込んでくることとなる。

先日行われた北海道オープン。そこで『進撃の小娘』こと平口結貴を追いかけて『VIVA POOL』を訪ねた。「この後、さみあちゃんも来ますよ」という情報を得たのは、平口取材を一通り終えて、カウンターでビールを飲んでいた頃だった。小西vs平口の対戦が見られるかもしれない。胸躍る気持ちを抑え、店主であり平口のコーチでもある鳴海大蔵プロの軽妙な爆笑トークに耳を傾けていた。

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平口とコーチの鳴海プロの一枚

「初めて私より年下の女子選手(平口)が頑張っていて、今ものすごく、ものすごくヤル気になっています」。完全にオフな時間であるにも関わらず、快く取材に応じてくれた小西は、私が向けたレコーダーを前にそう言った。その眼に漲る『ヤル気』は私をノックアウトした。漠然と思い描いていた「未来は明るい」。その時が訪れたのだと思わずにいられなかった。その後に男子プロを交えたペアマッチが行われ、評判通りのポテンシャルの高さを目の当りにした。

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テーブルを離れればじゃれ合う仲の良い2人

後編では、そんな小西の魂に火を点けた、平口結貴の話をお届けしたい。つい先日も札幌テレビが平口と同じ苫小牧市出身のEXILEのメンバー・SHOKICHIが担当するコーナーで、2日間にわたって平口を追ったドキュメント番組を放送したばかり。「結貴はまだまだですけど、何かをもってるんですよね。僕なんか長いことプロやってますけど、EXILEと一緒にテレビに出るなんて話、一度もないですから」とは鳴海コーチの談話。

後編に続く (5/24に掲載予定)

Akira TAKATA