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過去のニュース(2012年)

2012.11.18 トーナメント

日本最大のトーナメント終幕!!

第45回全日本選手権大会〜台湾勢が男女ワンツーを独占〜

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全日本選手権は台湾勢が男女ワンツーを独占。左から女子準優勝・譚禾耘、女子優勝・周婕妤、男子優勝・張榮麟、男子準優勝・楊清順


11月18日(土)、兵庫県尼崎市『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場で行われている『第45回全日本選手権』は男女ともにベスト16からファイナルまでの全試合が終了し、男子テンボールは張榮麟、女子ナインボールは周婕妤といずれも台湾勢が優勝を果たした。

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JPBA勢で唯一ベスト16に進出した羅だったが、楊清順に敗れ9位タイ


この日最初の回転のベスト16では、唯一JPBA所属選手として最終日に残っていた羅立文が、台湾の楊清順と対戦。序盤に大幅にリードを許した羅は、そこから猛チャージを掛け巻き返しを図るも及ばず、9位タイで大会を終える事となった。今年のUSオープンチャンピオン、アメリカのシェーン・バン・ボーニング傅哲偉(台湾)の試合は、ボーニングが先行するがフーが後半に掛けて勢いに乗り逆転に成功。対するボーニングのショットに乱れが生じ始めると、感情をあらわにする場面も。そんな相手を尻目に、冷静に撞き切った傅が見事に逆転で勝利を手にした。

続く準々決勝の舞台は欧米選手の名前が消え、フィリピン選手3人と台湾選手5人の2カ国の選手達によって争われることとなった。その中の1試合、台湾のトッププロ同士の対戦となった張榮麟と柯秉逸の試合は終盤までもつれたものの、11-8で張榮麟が昨年のチャンピオンを下して準決勝へ。

準決勝のカードは張榮麟vs傅哲偉、楊清順vsヨハン・チュア(フィリピン)という組み合わせに。張榮麟が先行するも、ボーニング、コルテッザ(準々決勝)を下してきた傅哲偉も正確なシュートで逃げ切りを許さない。しかし、逆転には至らず、張榮麟がファイナリストとなった。

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久々の日本登場となった楊清順は張榮麟に敗れたものの準優勝


楊清順vsヨハン・チュアは中盤まで五分の展開が続くも、次第に楊がリードを広げ始める。だが、タイムアウトをきっかけにチュアが息を吹き返し、猛対を開始。厳しいセーフティなどを仕掛け、楊を追いつめる場面も見られたが、あと一歩で及ばず。楊が優勝を掛けた大一番に臨むことになった。

女子では、前日に勝者側から勝ち上がりを決めた梶谷景美木村真紀李佳の3人と藤田知枝の4人がベスト8に進出。台湾勢4人との総力戦となることに。

梶谷は準々決勝で周婕妤と対戦し、序盤でリードしたが4-4に追い付かれるとそこから加点できず、逆転負けを喫した。木村vs藤田は2度の逆転劇の末、ヒルヒルの攻防を制した木村が競り勝つ。李佳も、林筱琦(台湾)に大きな差を付けられ後がない状況に追い詰められながら、圧巻の精神力と精度の高いプレーでヒルヒルの末に勝利した。

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JPBA勢として果敢に戦った李佳。周婕妤に敗れて3位タイ


準決勝、JPBAからは木村と李佳が男女含め、国内勢として期待を背負って登場。相手はそれぞれ譚禾耘と周婕妤。李佳は先の準々決勝でのギリギリの戦いや連戦の疲れからか、中盤から精細を欠き、周婕妤に屈した。

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日本の期待を一身に背負って戦った木村真紀


一方、木村は譚禾耘を相手に途中5-5と、全くイーブンの展開。だが、そこから譚に立て続けに3ゲームを連取されリーチを掛けられる。それでも木村は勝負を諦めず、追い上げのチャンスを掴む。1ゲームを返し、続くゲームも同じリズムで取り切りを進めたが、一瞬の気の緩みからか9番ボールを外してしまうと、その1球を巡るセーフティ戦に敗れ、試合を落とした。

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ファイナルは圧巻の完封劇。その強さを遺憾なく発揮した周婕妤


男女共に台湾勢同士の決勝戦となった今年の全日本。まず女子の決勝は、正に『スーパー・周婕妤』と言ってほどの出来で、マスワリを連発。相対する譚禾耘に全く付け入る隙を与えず、9-0の圧勝劇で幕を下ろした。

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世界トップの正確性と安定性を魅せた張榮麟が全日本初制覇


男子の張榮麟vs楊清順の試合は楊清順の場面で、張榮麟にキューミスが出る。精神的に追い詰められてるのかと思われたが、同じボールを楊が外して巡ってきたターンで自分の頬を叩き、ギャラリーの笑いを誘うパフォーマンスを披露。そこで吹っ切れたのか、普段のパフォーマンスを取り戻してプレー。以降お互いに引き締まったプレーを見せながらも、張がリードを広げ、10-7の場面から渾身のジャンプバンクから取り切りを決めた張榮麟が、昨年柯秉逸に敗れた雪辱を果たし、全日本初制覇を果たした。

なお、今大会の模様は、12月4日発売のCUE'S1月号で詳しく、さらに男女ファイナルを含めたハイレベルな試合の数々はCBNTで紹介していくのでお楽しみに!