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過去のニュース(2012年)

2012.07.10 プレイヤー

14-1に愛される男

Player Pick up  羅立文

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圧巻の100点ランで全日本14-1、2度目の優勝を飾った羅立文

14-1が大好きだと公言してはばからない男である。羅立文は日本に居住してから、年1回の『全日本14-1』を本当に楽しみにしている。これまで4回出場して優勝・1回、準V・2回、ベスト8・1回。抜群の戦績だ。そこに7月8日、優勝をまた一つ加えた。

昨年、羅は全日本14-1のファイナルで、バンキングに負け、初球のセーフティブレイクを撞いただけで、あとはキューを握ることなく敗れた。高橋邦彦が100点を撞き切るのを、ただ見ていた。

「14-1という種目の醍醐味をたくさん感じてもらえたでしょう? こういう試合を皆に見てもらえて嬉しいとも思ったよ。僕は撞けなかったけど(笑)」

そう振り返る羅に「でも悔しかったでしょう?」と意地悪く問う。

「うん(笑)。だって、100人ぐらいには言われたからね、『撞けないで負けたんだって?』とかね」

そして今年。相手は高橋ではなかったが、この日(羅以外では)最も好調だった塙をイスに縛り付け、羅はファイナルで100点撞き切りを決めた。塙の初球のセーフティブレイクが甘くなったのを見た瞬間、羅の脳裏にビッグイニングになる予感が走った。

「『行けるな』って。でも、どうしても攻められない配置になることもあるから、思い詰めることはせず、目の前の球に集中していた」

本気で100点撞き切りを意識したのは、56点目の的球を沈めた時だった。

「つまり、5ラック目をブレイクした時ね。割った配置を見て『行ける!』って」。

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ゲームボールは⑩を遠いコーナーに狙った

羅が全日本14-1で100点ランを出すのは初めてではない。というより、大会初登場の'08年(準V)に始まり、'09年(ベスト8)、'10年(優勝)と、毎年のように記録している。ただ、ファイナルではなかった。

「だから嬉しくて嬉しくて、ゲームボールを入れた後に飛び跳ねてしまったんだ(笑)」

大会初日(7月7日)のベスト64(原田和夫アマ戦)やベスト32(嶋野聖大戦)では相手にリードされて悪い精神状態になりかけていた。決勝日も緒戦のベスト16(福本宇太郎戦)では体が固かった。それでも、パニックになることなく勝ち上がり、きっちりファイナルにピークを持ってきた。そして生まれた100点ラン。

人一倍14-1に情熱を注いできた男は、間違いなく14-1からも愛されている。〈T.KOBAYASHI(BD)〉