ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

エイトボール

エイトボールとは

エイトボールの一番の大きな特徴は、1番~7番までのローボール(ソリッド)、9番~15番までのハイボール(ストライプ)のどちらかを自分のグループボールとして、そのボールをポケットしていくことと、グループボールであれば、番号に関係なくどの的球からポケットしても構わないという部分です。つまり、狙いやすい的球からポケットしていくことができるため、「シュートを決める」というポケットビリヤード最大の快感を簡単に味わう事ができるゲームとも言えます。ただし、本当にハイレベルな勝負をするとなれば、ショットの選択肢が増える分、戦略性と緻密な技術が必要とされます。

エイトボールの基本ルール

■使用するボール

1番~15番ボールまでの的球15個と手球。

■ラックの組み方

ラックの中央に8番ボール、5列目両端にハイボールとローボールを配置(左右は任意)。その他のボールは任意の位置で構いません(図1)。

eight_01.gif

■ゲームの目的

相手より先に8番ボールをポケットする。

■基本ルールのポイント

ブレイクショットとテーブルオープン時のショット以外で、自分がシュートする的球と、入れるポケットを指定する「コールショット」ルールが適用されます。自分のグループボール決定後は、それを全てポケットし終えた後に8番ボールをポケットします。また、グループボール決定後は、プレーの権利を持っているプレイヤーは、ショットの際、最初に必ず自分のグループボールに手球をヒットさせなければなりません。

エイトボールの流れと勝敗

Step1:対戦形式と順番を決める

8番ボールがポケットされた時点で1ラックが終了して1ポイントとなるので、対戦する際には、あらかじめ5ラック(ゲーム)先取や7ラック先取(プレイヤーはこれを「ゴサキ」「ナナサキ」などと省略したりします)などと対戦形式を決めます。その後バンキング(図2)で先攻・後攻を決めてゲームスタートです。

もし相手と実力差があるなら、獲得ラック数でハンデを付けたり、通常は7個あるグループボールの内「4つ落としたら8番ボールを狙ってよい」など、的球の数でハンデを付けることもできます。

Step2:ブレイクショットからゲームの終了まで

先攻のプレイヤーがブレイクショット(図3・4)を行ってゲーム開始。


この時にファウルすることなく何らかの的球がポケットされれば、そのままプレーを続行し、何もポケットできなかった場合とファウルを犯した場合はターンを交代します。この時点でのテーブル上は、まだどちらのプレイヤーのグループボールも決定していない「オープン」(図5)の状態です。

この時、最初のショットの権利を持つプレイヤーは、ロー、ハイどちらの的球を狙ってシュートしても構いません。そして最初にポケットした的球が自分の「グループボール」となります(図6)。

これ以降ショットの権利を持つプレイヤーは、必ず「コールショット」ルールに則ってプレーを続けなければなりません(図7)。

この際、もしシュートできる的球がなく、その意志もない場合は、「セーフティ」(図8)とコールしてからショットして、その後に相手とターン交代となります。

このようにプレイヤーはシュートかセーフティかを常に明確に示しながらプレーを続けて自分のグループボールだけをポケットしていき、それを全てポケットし終えた後に8番ボールを落とします。これで1ラックが終了し、8番ボールをポケットしたプレイヤーがラックの勝者となります。

楽しく遊ぶためのルールのポイント

Foul1:ファウルの種類

ポケットビリヤード共通のファウル(※)の他、エイトボールでは、ショットされた手球が、最初に自分のグループボールに当たらなかった場合(ノーヒット)、ショットされた手球が自分のグループボールに当たった後、手球、的球のどちらもがクッションに届かなかった場合(ノークッション)がファウルとなります(図9)。さらにエイトボールでは、同じプレイヤーが自分のターンで3回連続ファウルを犯した場合、その時点で1ラックを失うペナルティが適用されます(スリーファウル)。

Foul2:ブレイクショット時のファウル

エイトボールのブレイクショットで的球がポケットインしなかった場合、手球が何らかの的球に当たった後、手球も含めて4個以上の的球がクッションに当たらなければブレイクファウルとなり、相手プレイヤーには以下の3つの選択権が与えられます。

  1. もう一度ラックを組み直して選択権を持つプレイヤーが再度ブレイクショットする
  2. もう一度ラックを組み直してファウルを犯したプレイヤーに再度ブレイクショットさせる
  3. 選択権を持つプレイヤーが現状のままプレーを続ける

Foul3:ファウルした場合

エイトボールでファウルを犯した場合、相手プレイヤーは手球をテーブル上の任意の場所に置いて、そこからプレーを再開できます。これを日本では「フリーボール」「手球フリー」などと呼びます(図10)。

Foul4:ファウル後のボールの処理

ファウルとなるショットでポケットされた的球、また球場外となった的球はテーブル上には戻さずに、ポケットされたものとしてプレーを再開します。ただし8番ボールについては、その時の状況によって幾つか異なる処理方法が適用されます(Original Rule1、4参照)。

Original Rule1:ブレイクショット時の8番ボールの処理

エイトボールでは、ブレイクショット時の8番ボールについて、状況に応じて以下の処理が適用されます(表1)。

Original Rule2:オープンとグループボール

エイトボールの大きな特徴の一つが「グループボール」の考え方です。テーブル上が「オープン」の状態からグループボール決定までの流れをまとめると以下のようになります(表2)。

Original Rule3:コールショットの適用

エイトボールでグループボールが決定した後は、全てがコールショットで進められますが、その際には、シュートする的球と入れるポケットをコールするか、セーフティをコールするかの2択になります。また、その後の処理はエイトボールの場合、以下のようになります。

  1. コール通りにシュートが成功すればプレー続行
  2. コール通りにセーフティショットが成功すればそのままターンを交代
  3. 3番ボールセーフティをコールして何らかの的球がポケットされた場合は、その的球をフットスポットに戻してターンを交代
  4. ファウルを犯した場合は、ターン交代後、相手がフリーボールでプレーを再開

Original Rule4:8番ボールの特別ルール

ゲームボールとして一番重要な8番ボールについては、その扱いに特別なルールが定められています。エイトボールは世界中で親しまれているだけに、トーナメントにおいても、ビリヤード場においても、数多くのローカルルールが存在しますが、以下は特にトップレベルのトーナメントで採用されることの多い、その時点で即ラックを失う、つまり「負け」となってしまう8番ボールに関係するペナルティです。

  1. ブレイクショット時を除き、8番ボールをポケットした時にファウルした場合
  2. コールした以外のポケットに8番ボールを入れた場合
  3. テーブルがオープンの時に8番ボールをポケットした場合
  4. 自分のグループボール全てをポケットする以前に8番ボールをポケットした場合
  5. 自分の最後のグループボールと8番ボールをダブルインした場合
  6. 自分のグループボールを全てポケットした後にファウルした場合

※ポケットビリヤード共通のファウル

  1. スクラッチ
    ショットした手球が、直接または何らかの的球に当たった後にポケットに落ちてしまうファウル。ゲームの種類によって、その後の処理は変わってきます。
  2. 球触り
    ショットの際に手球に触れて良いのはキュー先に付いている革製のタップだけ。それ以外の部分が触れるとファウルになります。また的球に触れた場合もファウルとなります。
  3. 球場外
    ショットされた手球がテーブル外に飛び出した場合、ショットによって的球がテーブル外に飛び出した場合にファウルとなります。
  4. 2度撞き
    ワンショットの間にタップが手球に触れて良いのは一度だけです。一旦ショットされた手球を2度以上撞くとファウルになります。
  5. 両足が床から離れる
    ショットの瞬間は、必ずどちらか片方の足が、つま先だけでも地面に触れていなければなりません。例えばテーブルの上に腰掛け、両足が宙に浮いた状態でショットするとファウルとなります。
  6. 目印を付ける
    ショットをする時に、自分が狙いたい場所を特定するために、何らかの目印を置くとファウルとなります。

ページトップへ