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過去のニュース(2018年)

2018.06.22 ジャパンオープン

【JOカウントダウン Vol.8】30年史その4

From 2007 to 2010

2007年第20回JOの栗林美幸、初勝利の瞬間


2007年から2010年のJOは、海外勢の優勝が目立った。4年間で日本人の優勝は、女子の福家美幸(現:栗林美幸)2連覇のみ。しかし、日本勢のレベルが相対的に下がっていたということではない。2000年代後半、現在国内のトップを担うプレイヤー達は端々にその片鱗を覗かせつつあった。

2007年、20回の節目を迎えたJO。ベスト16では花の40期生として前年にプロ入りした大井直幸vs土方隼斗戦の同期対決が実現。その試合は、2人のその後の活躍を十分に予感させるものだった。決勝はアレックス・パグラヤンとJPBAに入る前の羅立文。パグラヤンは、試合中にギャラリーを意識したパフォーマンスを見せながら、超絶技巧でも存分に会場を沸かせるなど、キュースターの仕事をきっちりとこなして優勝を果たした。

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パグラヤンと羅


女子では2004年3位タイ、2005年準優勝と着実に成績を上げてきた福家美幸(栗林美幸)が、当時プロ入り3年目、22歳の河原千尋との決勝を制しJOタイトルを奪取。この2人の対決もJPBAの未来を感じさせるものだった。

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決勝を戦ったその後の2人の活躍は見ての通りだ


翌2008年。男子決勝でギャラリーはとんでもない光景を目にすることになった。フィリピンのデニス・オルコロがバンキングから7連続マスワリ。試合はその後、青木亮二が何とかもう1ポイント返したが結局9-2でオルコロが勝利。ポテンシャルの高さを見せつけた。女子では前年にJO初優勝を遂げた福家美幸が見事に連覇を達成した。女王・梶谷景美に堂々たる戦いぶりで挑み勝利した福家は、JO以降もツアー4勝。2008年シーズンは計6勝を挙げて、自身初の年間ランキング1位を獲得している。

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ブスタマンテ、レイズに次ぐフィリピンのスターと目されたオルコロ


2009年の大会は男子490名、女子103名の計593名が参加し、過去最大規模のジャパンオープンとなった。男子JPBA勢の最高成績は準決勝まで進んだ田中雅明。男子決勝は羅立文vsラミル・ガレゴ。ガレゴが、終始リードを保ち続け、9-4で勝利。ちなみにこの大会のあと羅はJPBAに移籍している。一方女子では、3連覇のかかる福家が夕川景子との準決勝、ヒルヒルの場面でまさかの9番ミス。夕川が決勝に進み、陳禾耘の日台対決で6−6まで粘るも、セーフティが上手く決まった陳が勝利を手にした。

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ラミル・ガレゴと陳禾耘


そして2010年、この年の男子・JOはナインボールのラストイヤーとなった。翌年から現在に至るまで、男子はテンボールで開催されている。結論から言えば昨年に続きこの年も日本勢の優勝は叶わなかった。

男子の決勝はヒルヒルまで粘った大井直幸、そして栗林達を倒して勝ち上がったエフレン・レイズフランシスコ・ブスタマンテのフィリピン・レジェンド対決に。試合はブスタマンテがスタートから3連続マスワリ、追撃の2連続マスワリと一気呵成の攻撃で、あっという間に10-1。土俵際でレイズが3連続マスワリを返すも11-5でブスタマンテがフィニッシュ。これだけのマスワリが見られたのも、ナインボールという種目ならではのことだろう。

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何度もキューを交えてきた2人。ブスタマンテ(前)とレイズ(奥)


女子では台湾の「大眼妹」こと周婕妤(チョウ・ジェイユー)が決勝戦に激進。ファイナルの相手となったのは中国・李佳(後にJPBA加入)。先に金星に手をかけたのは李だったが、決勝のプレッシャーからミスが相次ぐ。打って変わって手堅く取り切りを決めた周が逆転勝利でジャパンオープンの栄冠を手にした。

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前年の「アムウェイカップ」も制していた周婕妤


これで男子はフィリピンが6連覇、女子は台湾が2連覇。しかし勝負は紙一重で、日本人選手達も決して海外選手に遅れを取っていたわけではない。この大会では、海外選手達のプレーがより光っていて、人々の記憶に残る試合を演出していたということだ。特に男子は、ジャパンオープンの「ナインボール時代」の区切りを付けるにふさわしい、圧巻の試合内容が展開されていたと言えるだろう。(30年史その5に続く。)


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