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積層タップ時代の到来

2024.03.05

タップの誕生と進化の歴史②

●玉石混交の積層タップ

Mooriが評判を呼び、世界中のプレイヤーに使用されるようになっていくと、ビリヤードの世界には当然のことながら積層タップが増えていきます。ただし1枚革の単層タップは数は少ないながらまだあり、もう一つ、俗に「ファイバー系」と呼ばれる、クローム鞣しを施した水牛や牛の単層タップも広く使われていました。

ブルー系のタップは定番の1つだった。左上から時計回りに、エルクマスター、ブルーダイヤモンド、ブルーナイト、ブルースター

その中で積層タップは、加工に手間がかかる分単価は上がるものの、タップの個体差に影響されることなくプレーができることがプレイヤーのニーズとも合致して、徐々にタップのスタンダードとなっていきます。1990年代後半から2000年代にかけては、性能や品質はさておき、製作自体に大きな設備投資もいらず、他のビリヤードMONOより比較的簡単に製作できることもあり、国内外の多くのメーカーが積層タップを作り始めます。

海外メーカーも積層タップ市場に参入。左上から時計回りに、エベレスト、キューテック、ショーグン、タリスマン

ただ単に革を重ねただけのお世辞にも品質が良いとは言えないもの、堂々とMooriと謳う偽物も出回ったりしましたが、玉石混交のこの時代には、タイガー社の「エベレスト」や、現在は世界一のタップブランドに成長した「KAMUI」など、今も変わらず支持される積層タップも続々と誕生していきました。

●単層タップの変化

一方、積層がスタンダードになる中、1枚革の単層タップにも変化が起こります。積層に比べて安価であり、安定性は低いながら、箱買いしたタップの中から音も感触も好みにピッタリな「当たり」タップを見付けて愛用するプレイヤーも多かったこの時期、これらのタップの中のいくつかは、プレスして締める、特殊な薬品を含浸させるなどの加工を施して当たり状態を作り出し、新たなタップとして販売されるようになっていったのです。また、この時期には、ブレイクキューやジャンプキュー専用ではありましたが、革を使わない樹脂製のタップも登場しました。

単層加工や樹脂製タップも登場。左上から時計回りに、ブルーダイヤモンド10t締め、RD-EX、G10 Break & Jump、ソニック

●タップのスタンダードへ

2010年代に入ると、巨大プロダクトメーカーからカスタムメーカーに至るまで、その多くが自社キューのデフォルトタップに積層を使用するようになっていき、本格的にプレーを始めた時から積層タップを使うプレイヤーも増えたこともあって、積層はタップのスタンダードとなります。その中でも「KAMUI」は、Mooriが築き上げたメイドインジャパンへの絶大な信頼感がある中、研究、製作も含めた徹底したタップの品質管理と周到なマーケティングを通じてシェアを伸ばしていきました。

2010年代始めのKAMUI

そして、2000年代に本格的になっていったハイテクシャフトの開発競争から現在まで続く、各メーカーによるキューの性能面を重視した研究と開発の流れの中、タップにも高い安定性だけではない役割が求められるようになり、メイドインジャパンはもちろん、さらに多くのタップが市場に送り出されていくようになっていくのです。

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