ビリヤードはテーブル上で展開する物理学。通常では見る事のできないボールの動きやビリヤードの様々な現象をハイスピードカメラで検証していきます。
今回の映像は、'05年に、日本のトーナメントなどでもお馴染みのフィリピンのエルビス・ペレスに協力して頂いて撮影した、ほぼテーブルの縦一杯を使ったスーパードローショットを検証したものだ。まず最初はショットを正面から撮影したもので、ショットされた手球が、強烈なバックスピンを帯びながら空中を進み、ラシャとの摩擦で回転が減衰することなく、2度バウンドしてから的球にヒットしている様子がよくわかる。2番目の映像は手球の動きを横から捉えたもので、的球に衝突した手球がまずはその場で激しく逆回転し、ラシャとの摩擦によって徐々に後方に動き出していることがわかる。最後はスーパードローの撞点をアップで撮影したもの。かなりキューの角度が付いた状態で一気に撞き出されたキュー先が、水平方向の力よりも垂直方向の力が手球に伝わるように、手球を切るようにインパクトしていることがハッキリと映し出された。
撮影・監修:須藤路久
ビリヤード・インストラクターとしてこれまでに初心者を中心に延べ1000人を超えるプレイヤーを指導。その経験から得られた、有効性が確認されたビリヤードのエッセンスを、できるだけわかりやすい言葉で解説する、本誌の「Main Billiards Analyzer」。