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トピックス

2019.01.28 トーナメント

吉岡正登、地元の期待に応えるV!

『第30回関西オープン』@大阪『玉出ビリヤードACE』

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会場となった『玉出ビリヤードACE』


吉岡正登が遂にナインボールのタイトルを奪取だ。2014年に『全日本14-1オープン選手権』で初の全国タイトルを獲って以降、優勝から遠ざかり、特に昨シーズンは不調に終わった吉岡。1月26、27日に大阪で開催された『関西オープン』で「(自身が経営し講師を務める)レッスンスタジオに14-1のトロフィーを飾っているのですが、そろそろ期限切れになると心配していた」矢先のビッグタイトル獲得を果たした。それでは、決勝日の様子を振り返ってみよう。

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左から、ベストアマ賞・中野雅之、準優勝・栗林達、優勝・吉岡正登、3位タイ・羅立文、3位タイ・斎藤慎太郎


土曜日の予選で絞り込んだ16名の精鋭達が、日曜日の朝、大阪市西成区の『玉出ビリヤードACE』に集結した。土方隼斗飯間智也といったトップ勢が初日で消える波乱はあったものの、大井直幸栗林達羅立文の2018年トップ3のほか、意気込みの強さを窺わせる選手たちが、今大会で初めて採用されたランダムラックのナインボール(交互ブレイク)9ラック先取のフォーマットで今年最初のタイトルダッシュに向けて競い合った。

まず朝一の回転(ベスト16)からピックアップすると、昨年のプロ入り後、初となる決勝日進出を果たした九州の木原弘貴と、今大会がプロデビュー戦である関東の小川立致が、それぞれフィリピンのアントニオ・リニング、アマチュアの中野雅之を7点に抑えてベスト8入りを決めた点。小川は土方、飯間と同学年でジュニア時代に将来を嘱望された存在。今年は『USオープン』への参加も決めて「世界レベルのプレイヤーになることを目指す」と意気込む。先に日本を代表する選手へと成長した同級生にどう迫っていくかに注目だ。

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プロデビュー戦の小川立致


女子の開始後すぐにスタートしたベスト8。木原は斎藤慎太郎に、小川は本大会ディフェンディングチャンピオンである栗林達に敗れて、今回の挑戦は5位タイフィニッシュとなったが、今シーズンの飛躍に期待が寄せられる。その他のテーブルは吉岡正登が田中雅明を、羅立文が先の回転で大井直幸を撃破した内垣建一を、ともに9-5のスコアで下して準決勝進出を決めた。

さて、準決勝のメンバーは枠順に吉岡、斎藤、栗林、羅。西と東に分かれたこのカードで、やはり斎藤の名前に目がいくのではないだろうか。ここで簡単に紹介を入れておこう。1978年生まれの斎藤はプロ15年目で、福本宇太郎塙圭介らと同年代にあたる。2014年の全日本14-1オープン選手権以来、公式戦では2度目の準決勝進出。前日の予備決勝では、奇しくも同学年の小川亮、井上浩平、そして土方という東日本トリオを倒しての決勝日進出を果たしている。

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3位タイ・斎藤慎太郎


ここで斎藤の壁となったのは吉岡だった。好調ムードの斎藤が、6-3までリードを奪ったが、ここで吉岡が入念に狙ったロングショットの⑧を決めて踏みとどまる。するとゲームの流れを引き戻した吉岡が、9-7と逆転を果たして、関西オープンで初となる決勝進出を決めた。もうひとつテーブルでは、中盤からリードを続けた栗林が、執拗に追いすがる羅を振り切って9-7のスコアで2年連続大会制覇に「あと1つ」と迫った。惜しくも逆転負けを喫した斎藤だが、開幕戦3位の戦績を駆って飛躍のシーズンにできるのか、マークしていかなければなるまい。

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3位タイ・羅立文


女子と同時にスタートをしたファイナル。吉岡はレッスン生を中心とした応援団の熱い視線を受けながら、また栗林は美幸夫人と揃っての決勝戦登場で念願の夫婦アベックVを目指して、決戦の火蓋は切って落とされた。ブレイクの先攻は僅差のバンキングを制した栗林。まず交互にブレイク番を得点して3-3で中盤に入ると、吉岡、栗林がそれぞれゲームの連取をするも6-6で並んで終盤に突入する。この緊迫した勝負際で本領を発揮したのは栗林。8-6で王手をかけると、「安定感のあるマスワリで大会連覇!」と思われた残り2球の⑦でカタカタをしてしまう。

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決勝戦を戦う吉岡正登


これを取り切った吉岡が次ラックでマスワリを出しヒルヒルに追いつく。場内が注目する最終ラック。栗林のブレイクは取り出しの①は狙える形になるも、②へのポジションは狭く攻撃でつなぐのは難易度が高い配置に。栗林がこの②へ上手くポジションをして、サイドバンク&セーフティのツーウェイをかけるが、②がサイドポケットの角に蹴られて吉岡が攻撃可能な形となる。ただし、③へのポジションは難度が高く、吉岡は③でナイスセーフティを決めた。これを栗林がツークッションで強めにヒットさせると、再び③は攻撃が厳しい配置となった。ここで吉岡は「他(⑤)にもトラブルがあったので、(③に)薄く当てれば入るんじゃないか」と③-⑨のコンビバンクという強気な選択。ハードに放ったこのショットが見事に決まり、吉岡はキューを高く掲げて優勝の喜びを表した。

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惜しくも決勝で敗れた栗林達


終了後に吉岡は「応援をしてくれること、拍手をもらえることは、本当に力になってポジティブな自分が出せます。そして何よりくじけていられなくなります。気長に応援を続けてくれた人たちにようやく良い報告ができます」と満面の笑顔でコメント。一方の栗林は「体の疲労も、そして乾いたコンタクトレンズも、限界に達してしまいましたが、その中で自分のベストを尽くしました」と、前日から続いたハードな歴戦を強靭な精神力で戦い抜いていたことを窺わせた。

激闘を劇的な結末で締め括った平成最後の『関西オープン』。今年も主役の座をめぐるエキサイティングなレースが始まった。

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大会後、吉岡正登と地元応援団との記念撮影


※決勝戦の模様は後日CBNTで配信予定です。どうぞお楽しみに!