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No.29 切り引き

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ビリヤードはテーブル上で展開する物理学。通常では見る事のできないボールの動きやビリヤードの様々な現象をハイスピードカメラで検証していきます。

今回の映像は、ビリヤードのショットの中でも普段のプレーではほとんど見られない特殊な「切り引き」を検証したものだ。切り引きとは、主にアーティスティック競技で使われるショットで、映像のように手球と的球が近接した状態から、手球に強烈な引き回転をかける、極めて難易度の高いもの。通常のストロークでは、手球と的球がこれだけ近い場合、完全な2度撞きになり、インパクト後に手球とキュー先が再び正面衝突を起こすが、切り引きではインパクト後のキューを2度撞きを避けるように逃がすテクニックが使われる。まず最初の映像は失敗時のもので、キューが逃げ切れずに、2度目のインパクトで手球を跳ね上げてしまっているのがわかる。一方、成功時の映像では、一度目のインパクトの後、キュー先はギリギリのところで手球の横をすり抜けていた。ただし、よく見てみると、この時もタップは手球の横をかすっており、厳密に言えば2度撞きになっていることがわかった。

撮影・監修:須藤路久

ビリヤード・インストラクターとしてこれまでに初心者を中心に延べ1000人を超えるプレイヤーを指導。その経験から得られた、有効性が確認されたビリヤードのエッセンスを、できるだけわかりやすい言葉で解説する、本誌の「Main Billiards Analyzer」。

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